My life as 8bit

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東京カランコロンの解散はファンのせいだと言って欲しい

先日、東京カランコロンというバンドの解散が発表された。

 


私は、古参ではないけれど「笑うドッペルゲンガー」あたりから6年くらい追いかけている。

 

東京カランコロンは、いちろー、せんせいという男女ツインボーカルで成り立ち、2人ともソロで活躍できるレベルのソングライティングをもつので、繰り出される楽曲が多彩でクオリティが高い。

しかも、バンドメンバーも曲者ぞろいで、それこそライブでは、コミカル、シリアス、ハードにシニカル、おちゃらけなど、いろんな角度から楽しませてくれる。

 

ものすごい高次元で調和がとれている唯一無二のバンドだと思っている。

 

avex時代

東京カランコロンは、avexからメジャーデビューをした。ただ、個性である男女ツインボーカルという点はあまりフィーチャーされず、いちろー、せんせい、それぞれのリードボーカル曲を作り、それぞれ売ることに注力していた。

 

これは、まあまあ不遇だったと思う。

 

たぶん、avexの担当のプロデュース面がどんずべりしていたと思う。

 

初のミニアルバムから「ゆらめき☆ロマンティック」「きらめき☆ドラマティック」という2つに分けて、いきなり変化球をなげてくる。私が、後追いで遡っていた当時は、何かの企画ミニアルバムだと思っていた。が、まさかの1stだとは思わなかった。

ゆらめき☆ロマンティック

ゆらめき☆ロマンティック

 
きらめき☆ドラマティック (MINI ALBUM)

きらめき☆ドラマティック (MINI ALBUM)

 

バンドイメージか定着してないうちから、これはヤバイ。

 

でもでもでもでもでもでもでもでもでも、でもな!
メジャー1stシングル「泣き虫ファイター」は最高。「ゆらめき☆ロマンティック」に収録されてる。

youtu.be

でも、やっぱりPV微妙。

 

それでも、avexの資金力で、アニメ「食戟のソーマ」ED「スパイス」「笑うドッペルゲンガー」「恋のマシンガン」あたりまでは頑張ってくれたようで、おかげで私のような者まで楽曲が届いた。

 

スパイス (初回生産限定盤)

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笑うドッペルゲンガー

笑うドッペルゲンガー

 
恋のマシンガン (SG+DVD) (初回生産限定盤)

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ただ、やっぱりカラオケ需要を見込んでいるのかがっつりとツインボーカルの曲は制作されず、PVも、まあまあしくじりがち。

 

「ヒールに願いを」のPVは、どんでん返しを狙いすぎで楽曲の味まで変えてしまう。クライマックスなのに曲が入ってこない。

  

 

ただ、どの曲も私には響きまくった。

 

ずーっと聴いて、ライブにも通った。

 

私がいちばん刺さったのは開けっぴろげな表現だ。「HentekoPop is dead」のような、 開けっぴろげな人は大好き。

ネクストブレイクだって呼ばれて、もう4・5年は経ちます
ブレイクって何なんだよ

どうせ他の流行りのバンドで替えがきくんです
邦楽ロックに幸あれ

どんなに必死にやってたって、癒し系だと言われてます
内輪ノリのバンドだからね

「インディーズの頃は好きだった」なんて言われます
メジャーに行って何が悪いんだ

メディアにゃ隠さず今日も明日も、何でもしゃべるよ

 これ、歌詞ですよ。

 

なので、関係ないけどラブリーサマーちゃんは大好き。ラブサマちゃんのtwitterは最高。楽曲もルーツを隠したりしないで真っ正面から切り込むので好き。

 

あとは「JPOPは素敵ね」のあふれるユーモアも刺さった。まぁ、結局、いちろーとせんせいが好きだったんだと思う。

 

移籍

閑話休題。程なくして、東京カランコロンはavexからTALTOというレーベルに移籍した。

 

たぶん、この時期にまあまあのバンドの危機はあったと思う。しかし、そこを乗り越えて東京カランコロンは「再起動」した/できた。

 

その後の東京カランコロンは神懸かっていた。そのときそのときの置かれていることを身を削って曲にして、ポジティブにネガティブに憂いをまぜてユーモアに曲で語った。

トーキョーダイブ

トーキョーダイブ

  • アーティスト:東京カランコロン
  • 出版社/メーカー: インディーズレーベル
  • 発売日: 2017/02/01
  • メディア: CD
 
ビビディバビディ

ビビディバビディ

 

 

 

楽曲を通して、東京カランコロンの現在が伝わってきた。だからこそ、聴く側もリアルタイムに受け取ることで、その裏にある思いや苦悩を感じとれ、ライブではまさしくシンクロするようにダイレクトに伝わってきた。

 

男女ツインボーカルという無二の強みは、ここに極まったと思っている。

 

いろんなファンが、おのおの勝手に何かを感じライブ中に泣いていた。

 

いわゆるメジャー落ちともいえる苦渋を経て、「再起動」することで、もう一度、初期衝動で楽曲がつくれたのだと思う。

 

おかげで移籍後のアルバム『東京カランコロン01』は傑作になった。レコ発ライブも最高で、私は各地を追いかけでライブに参加した。

東京カランコロン01

東京カランコロン01

 
わすれものグルービィ

わすれものグルービィ

 

その後もライブは精力的にに行われて、どのライブもキマッていた。

 

スタンダードなライブ。アコースティック/バンド形態の2部構成ライブ。メンバーのフロアの中央に置いてファンが取り囲むようにしておこなうライブ。

 

本人たちも、バンドがスゴい良い状態にあるとしきりにいっていた。実際、素晴らしいライブばかりだった。

 

『melodrive』

このミニアルバムは、『東京カランコロン01』『わすれものグルービィ』などでみせた、身を削って自らを作品を投影させることをピタリと止め、アルバムという作品を仕上げるために作った感じがした。

Melodrive

Melodrive

 

この辺で、私はいったん初期衝動が落ち着いたのかなとは思った。avexから抜け出した勢いで、自分たちの良いところを思うようにセルフプロデュースして思いっきり暴れていったん落ち着いた。踊り場にきたかなと。

 

でも、才能のあるメンバーなので、やっぱりどの曲もスゴく良かった。『BluesDriver』はバーンと張らない感じで、ゆっくりと沁みる良い曲だ。

 


東京カランコロン「リトルミスサンシャイン」 MV

もちろん、初期衝動だけではなく、思考をかさねて作品を作っていくアーティストも沢山いて、そのモードに入っていくのかなと思っていた。

 

解散

その、矢先に解散発表。

 

確かに、年末年始にライブの便りがないなぁ、とは思っていた。でも、長めの正月休みなのかなと思っていた。

 

それが、寝耳に水の解散発表。

 

バンドも良い状態、アルバムも新しいモードに突入、バンドのモードとしては解散なんて心当たりがない。ほとんどのファンは理解/納得できていないと思う。

 

なんで解散前に新しいアー写、ばりばり撮ってんだよ!

 

いや、誰?「解散ライブ必要なし」って話してるの。 

 

でも、私は"サブスクで印税入るから聴いて"とか言っちゃういちろーが好きだ。

 

ただ、解散の理由「バンドでやれるとこをやりきった」なんていうかっこつけた言葉は、納得できない。

東京カランコロンは6月17日をもって解散します。

出身も年齢も音楽の趣味も違ったこのメンバーでいくつもの作品を生み出し、
これまで東京カランコロンを続けられてきたのは紛れもなくファンの皆さまや関係者の皆さまの支えと応援のおかげです。
この10年は大きな奇跡のようなものだなと、感謝してもしきれないほどです。

特に移籍してからの数年は全員がより自由にのびのびと活動をすることができ、バンドとしては最高の状態で動けていたと思います。

そしてデビュー10周年の区切りの今年、東京カランコロンという枠でできる事をやり切ったという5人の気持ちがあり、繋いだ手を離そうと思います。
大事にしていたものを手放すのはとても勇気がいることだけれど、手放すことでまた新しい何かが生まれると信じて。

ライブは残り少なくなってしまいますが、今まで通り笑いながら、時にはビシッと決めつつ、でもやっぱりゲラゲラ笑いながら、今までに生み出すことができたたくさんの奇跡のような曲たちを演奏する姿をぜひ見に来てほしいです。

そして最後の東名阪ツアー、過去最高の仕上がりのカランコロンを目に焼き付けてほしいと思っています。

東京カランコロン

バンドが最高の状態で動けていた。それは確かだった。

ただ、じりじり箱が埋まらなくなっている空気は感じていた。

 

『ギブミー』では東京/大阪でインストアライブしてたのに、ミニアルバム『melodrive』では東京だけ。

「melodrive」がミリオン行っても解散してた?

Zeppが埋まるくらい動員してても辞める?

 

結局、モチベーションってそういう所も含まれるから否定しない。逆にファンの力が足りなかったのだ。アルバムをCDで買って、サブスクでみんな楽曲聴いた?ライブは行ってた?友だち誘った?布教活動どれくらいした?

 

東京カランコロンの解散に関しては、ファンが支えきれなくなったんだ。そう思ってる。本当に申し訳ない。

 

だから、いちろー氏には、東京カランコロンというバンドで「やりきった」なんて言って欲しくない

 

格好つけずに「これだけライブやっても、生活がぜんぜん潤わないので、もうやれない。限界だ!」開けっぴろげて欲しい。「やりきった」じゃなくて「いろいろやったけど動員伸びなくてもう打つ手がない!」って言って欲しい。

 

そうすれば、解散は私たちのせいになる。

 

メンバーが東京カランコロンという存在を諦めたことにならずにすむ。私たちが支えきれずに壊れたんだとういことになるのだ。

 

解散の「やりきった」は、あんな良い状態のバンドをメンバーが捨てたと思えてしまうから悲しいのだ。

 

それだったら「おまえらのグッズ購入数が足りないからだ」って言ってくれた方がいい。今からでもネットストアで余ってるグッズ全部買い占める。そして、メンバーにごめんなさいっていえる。

 

メンバーは「東京カランコロン」を捨てたりしない。そう思っていたい。

 

私のTLは阿鼻叫喚だ。いちろー氏のやけにアッパーなTwitterは、ファンとのテンションとかなりズレがある。他のメンバーはまだまだ困惑と名残があるように見える。そして優しい。

 

 

 

ワンマンライブがあと3回ある。 

そして、6/17にラストライブがある。

全部行くよ。

 

もちろん最高のライブだって事は判ってる。

 

でも、そんなんじゃない。

 

めちゃくちゃになってもメンバーには全てをぶつけて欲しい。楽しさ、悔しさ、うれしさ、無念さ。もっと続けたかったってって思ってたらその気持ちをさらけ出してライブを閉じて欲しい。

 

「HentekoPop is dead」を歌った時のような気持ちで叫んで欲しい。「HentekoPop is dead」では”やめるわけねーよ!”って言ってたけど辞めるんだよねバンド。解散すんだよね。

 

めちゃくちゃ悲しいんだよ。

 

「もっと続けたかった」っていってくれ。

CDが売れなかったせいにしてくれ。

ファンのせいにしてくれ。

 

だから、『東京カランコロンで』やれることやり尽くしたなんて言わないでくれ。

 

なんなら、解散するのやめるっていってくれてもいい。